2023.07.03 03:48美景と旅の文化人類学 美しい風景はなぜ美しい? 江戸川大学オープンカレッジで講演美景と旅の文化人類学 美しい風景はなぜ美しい? 江戸川大学オープンカレッジで講演 風景はそこにあり、私たちは自分の目で風景を見ており、美しい風景は美しく見えると思っている。 しかし大人と子供でも見ているものは違うし、雪を「白魔」と恐れる雪国の人は雪景色を美しいなどとは見ない。 庶民の生活のある風景こそ真の風景とした民俗学者柳田國男の目と、アジア侵出の時代の国粋主義者志賀重昴の目で見た日本の風景も違うように、風景を見る目には実はフィルターがかけられているのだ。 例えば、ほとんどの日本人がたった10秒でお決まりの富士山の絵を描けるのも、各地の山を〇〇富士と見るのも、いつのまにかフィルターを学習しているからだ。 また柳田國男が「文芸の専制」と批判したように...