『日本経済新聞』にインタビュー記事掲載 「鶏肉の呼び方、なぜ”かしわ”」

 東京では「かしわ」といえば千葉県柏市だが、関西など西日本各地では鶏肉のこと。

 鶏の色が柏の葉の色に似ているからといわれているのだが、この鶏とは今日主流の白いブロイラーではなく、古くからの黄鶏。

 鶏は弥生時代には中国大陸、朝鮮半島から入ったといわれ、古くから飼育されてきた。江戸時代には一部で肉も食べていたのだが、生類憐みの令やら幕末の改革やらで抑圧され、馬肉を「さくら」、猪肉は「牡丹」、鹿肉は「もみじ」、そして鶏肉は「かしわ」と言い換えたという庶民の知恵だ。

 ではなぜ今日一部の地方だけがかしわなのか?そのヒントは、かしわと呼ぶのが関西、西日本の他に愛知県、秋田県だという点にある。

 つまり中国、朝鮮半島から伝来したこともあり、古くから地鶏として広く飼育してきた西日本では、戦後アメリカ発祥の白いブロイラーが登場しても、肉の名はそのままとなった。そして遠く離れた秋田は比内鶏、愛知も名古屋コーチンが知られるように、やはり地鶏の飼育が盛んな地域というわけだ。

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