2020東京オリンピック、パラリンピックを控えた日本のトイレ文化を世界に紹介するインタビュー記事Japan's next restroom revolution? Phasing out squat toilets for Tokyo 2020が、ロイターから配信されました。
斗鬼は、1964年の東京オリンピック当時の日本が、トイレの改良に注力した背景をアイデンティティーという視点から紹介しました。
当時は戦後復興から高度経済成長に突入した時代ですが、「夢の超特急」東海道新幹線が疾走し、GDP世界2位の「経済大国」となっても、下水道普及率は低く「ボットン便所」が圧倒的、オリンピック直前にも赤痢が発生といった状況でした。そうした中「先進国の一員」として認められるためには、「衛生」思想の徹底、とりわけ「外人(=欧米人)に見られて恥ずかしくない」清潔なトイレこそが重要と考えられたのです。
その後水洗化が進み、「ボットン便所」は姿を消しましたが、再び迎える2020年東京オリンピック、今度はsquat toilet、つまり「和式」便所が標的とされ、公衆トイレの「洋式」化が進められています。さらには、世界ではほとんど普及していないウオシュレットに健康診断機能まで付加して、世界を驚かせるハイテク化による「先進性」のアピールが続けられています。まさに「トイレから日本人が見える」のです。
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https://www.reuters.com/article/us-olympics-2020-toilets/japans-next-restroom-revolution-phasing-out-squat-toilets-for-tokyo-2020-idUSKBN20D03Q
拙稿「東京オリンピックと日本人のアイデンティティー-1964年東京大会と首都美化運動,
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