*通路の構造が乗り方を変えた住之江公園駅
大阪なのにエスカレーターで左に立つというのは、大阪メトロ四つ橋線と南港ポートタウン線(ニュートラム)の乗換駅住之江公園駅。
この駅にはエスカレーターが4基あり、3基は大阪式に右に立っているのだが、地下鉄からニュートラムに向かって上る1基だけが掲示もアナウンスも何も無いのに東京式、しかも昔からだ。
*原因はフェリーターミナル?
この奇妙な現象の原因として、SNSではニュートラムの沿線にフェリーターミナルがいくつもあるため、全国各地からの乗客の影響で左に立つようになったなどと説明されている。
しかしフェリーが結ぶのは片側空けが広がっていない四国、九州、そして大阪と同じく右に立つ韓国・釜山、中国・上海だし、そもそも4基のうちの1基だけなので、説明にならない。
*乗り換え通路の構造が左に寄せる
1基だけということは地下鉄とニュートラムを結ぶ通路の構造が原因である可能性が高い。ここでは2本の通路が、エスカレーターの手前で左に曲がって合流する配置になっている。つまりニュートラムに向かう人は左折、逆に地下鉄に向かう人は右折するから、必然的に左側通行になり、そのままエスカレーターでも左に立つことになる。
*対向者の圧が左に寄せる
このエスカレーターは通路の中央にあり、エスカレーターの左奥にはエレベーターがあるが、ニュートラムからは下りだから利用する人は少なく、おまけにエレベーターで下っても、左側通行でニュートラムに向かう人の列を横切らなければならないから、歩きにくい。そのためニュートラムに向かう人は妨げられることなく左側を進み、そのままエスカレーターの左に立つことになる。
エスカレーターの右はニュートラムから地下鉄に向かう多くの人が絶え間なく通るから、ニュートラムに向かう人が右寄りを歩くと対向する大勢の人の流れの圧を感じることになる。
さらに双方を隔てる柵が設置されているのだが、その柵がまっすぐではなく、ニュートラムに向かう人の側に曲がっている。床の点字ブロックも同様に曲がっているし、おまけに壁が突き出ているため、地下鉄に向かう人はニュートラムに向かう人の側を向いて歩いてくる。
このように、大勢の人の流れの圧を感じさせるような通路の構造が原因で左を歩くようになり、必然的にエスカレーターでも左に立つことになったというわけだ。
これもまた、物理的誘導がエレベーター片側空け追放に効果的と思わせる実例なのだ。
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